陶仙の俳句の部屋

少しばかりですが注釈を加えながら私の俳句を紹介します

2007年07月13日

子の熱を薄めて光る   蛍籠 子供の体の調子が悪いそれだけでなく熱もあったが だいぶん良くなってきた 
籠の蛍が身代わりになってくれているのだろうか
脱ぐ野良着 汗の重さを持ち帰る 朝から夜まで一所懸命働いた 体中が汗びっしょり我が家に帰って野良着をぬぐにもなかなか脱げない
何とかようやく脱げたが汗を吸ったその野良着の重さには驚いた
吹きだまりの落ち葉 遺言書くべきか 庭の隅の吹き溜まりに毎日少しづつ落ち葉が溜まってゆく、増えた落ち葉も段々と日が経てば黒ずんで量が、増えてゆく植物も動物も似たりよったり なんだか遺言を書いておくのが良いのではないのかな・・
蜜柑皮  離婚届けは軽すぎる 人生にとって離婚と云う物はとても重大な事であり大変なこと・・・でも緑色に印刷されたこの離婚届けの軽いこと今食べた 蜜柑の皮よりまだ軽い

2007年07月05日

寝汗の子 母を確かめ眼を閉じる 静寂な夜中かたこと混じりの幼子が眼を覚ます、 母が側に寝ているだけで安心しきって眠りだすこれが   本能と云う物か・・・・
もつれ話がすんなり解けて  豆の飯 もつれた話と云うものは嫌なもの一つの解決策から わだかまりが自然に取れた場合嬉しいものそのときたまたま豆のご飯だった 豆に解決したということです
這う孫の目線の筍  つんつん伸び 孫が這い這い出来るようになつた庭の筍に向って這ってゆく其の筍も孫の背を何時の間にか追い抜いていた
さよならのキッカケ掴めぬ 貰い茄子 少しばかりの用事で心安いお家を訪問すると、採れたての茄子を貰った 貰ったばかりに話が長くなり帰り難くなり困る事も生まれる

2007年06月15日

襟巻き通院  一つの意図は顔隠し 通院するのは何となく人には見られたくないものだ、まして我が家の近所の人には尚更、お節介な人に会ったら大変、襟巻きで顔を隠したくなる其の気持ちはよく解ります
不作田の案山子一途に 罪を負う 田畑には豊年もあれば不作もある、案山子には何の罪もないが不作なれば案山子まで面憎い思いがする
仕方ない事ながら 表情を変えぬ案山子は可愛そうであり愛しいと思われます
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